BLOGブログ
BLOG

10

毛玉・抜け毛料金は罰金なのか?ティアラ流「ケアとしての毛玉・抜け毛除去」

サロンケア

トリミングのお会計時、「毛玉料金…?」となる瞬間ありませんか?
私たちから見ても、飼い主さんの表情が少し曇らせてしまうので、お気持ちは痛いほど分かります。
でも、あの“追加料金”には、ちゃんと理由があるんです。

私たちが日々トリミングをしている中で、毛玉がびっしりできている子抜け毛が大量に出る子は少なくありません。
トリマーにとってもその分だけ作業の手間が増え、犬たちにとっても時間や刺激の負担が増してしまいます。
そのため、「毛玉・抜け毛の対応料金」はやむを得ず発生してしまう費用なのです。

とはいえ、飼い主さんの立場からすれば、気持ちよく払えるものではないでしょう。
よく分かります!

なぜなら、施術の様子を見られるわけではないので、「どの程度大変だったのか」が伝わりづらいからです。
中には「家でちゃんとお手入れしていたのに!」という方も多い。
それもまた、よく分かります。

だからこそ、理不尽に感じてしまうのも当然。
これは“犬のトリミング”という特殊なサービスだからこそ生じる誤解なのです。

今回は、そんな毛玉・抜け毛料金の誤解を解きたいと思います。
そして、当店の考え方と対応をお伝えします。

 

1. 毛玉・抜け毛は「痛み」と「傷み」を生む

まず、毛玉を取る作業は犬にとって痛い。
ブラシで引っ張られる感覚は、人が髪を引かれるのと同じです。
しかも、毛玉自体が毛にダメージを与え続けており、それを解くことでもさらに傷んでしまいます。
結果として、キューティクルが剥がれ、切れ毛・枝毛・パサつき・ゴワつきなど、毛質全体が悪化します。

つまり
毛玉=痛み+傷み
放置すればするほど、犬の体に負担を与えてしまうのです。

抜け毛も同様です。
地肌の通気性や新しい毛が生えるスペースを確保するためには、抜け毛の処理が欠かせません。
しかし、《毛を抜く=地肌を引っ張る》行為。
量が多いほど痛みが伴います。

抜け毛を放置すると束状になり、さらに引っかかりやすくなる悪循環に。
軽度のブラッシングでも刺激が強くなり、肌が赤くなったり熱をもったりすることもあります。

 

2. 「ちゃんとブラッシングしてたのに・・・」が起こる理由

この言葉、たくさん聞きます。
でも正直に言うと、《やった気でいる》だけの場合もあります。

特にビションやプードルなど長めのスタイルの子は、表面は解けていても根元が絡まっていることが多いのです。
長毛種のブラッシングは、実はプロでもコツが必要。
道具や姿勢、湿度など、環境が整っていないときれいに解けません。

お手入れを嫌がる子も多いし、道具の使い方も難しい。
何より現代社会は忙しい!

そんな中でも、お手入れを頑張っている飼い主さまを心から尊敬しています。
そして、こうも思います。
ここまで頑張ってくれたから、この程度で済んだのかもしれない」と。

私たちもできるだけ丸刈りは避けたいです。
“飼い主さんの希望を尊重しつつ、届かなかった部分をプロとして引き受ける”
そんなパートナー関係が理想です。

長めのスタイルを維持するには【人の手】がどうしても欠かせません。
もし手が足りないときは、“お金をプロの手に変える”という選択を、ぜひ考えてみてください。

とはいえ、全身フェルト上の毛玉になってしまっていたりすると、短くせざるを得ませんが・・・

 

3. ティアラ流「毛玉・抜け毛ケア」

多くのトリマーが「毛玉・抜け毛=やっかいもの」と感じています。
実際、私も昔はそうでした。

でも今は違います。
なぜなら、ただ“取る”だけでは、犬の体に優しくないからです。

なぜなら、「毛玉取れた!終わり!」で済ませたら、それはまるで、火事を消したあとに焦げ跡を放置するようなもの”なんです。

だからティアラでは、「処理」ではなく「ケア」として毛玉・抜け毛除去を行っています。

 

① 道具の使い分け

毛玉や抜け毛の場所・形・量に合わせて、最適な道具を選びます。
スリッカーブラシひとつ取っても種類は豊富。
ほかにも以下のような道具を使い分けます。

・ 抜け毛専用ブラシ
・毛玉を割くナイフ
・ 毛を絡めとるタイプのブラシ
・皮膚に優しい柔軟ブラシ
・状態に合わせたスプレー

「道具の数=引き出しの数」。
その子にとって一番負担の少ない方法を選んでいます。

 

② 毛のダメージ補修

人の美容業界では当たり前の“内部補修ケア”ですが、犬用ではまだ珍しい。
当店では、分子の小さい栄養成分が短時間で毛の内部に浸透する高品質トリートメントを導入しています。
これにより、毛玉除去で傷んだ毛をすぐに補修し、柔らかく仕上げられます。

 

③ 皮膚のケア

毛玉や抜け毛が溜まると、皮膚が蒸れてベタつきやすくなったり、逆に乾燥したりします。
そこでティアラでは、状態に応じて以下のケアを行います。

◆ベタつき・赤み → 抗炎症温浴+保湿
◆ 乾燥肌 → 低刺激シャンプー+保湿浴

さらに、長時間のブラッシングで皮膚が熱を持つ場合には、冷水ぎみのぬるま湯でクールダウン
まるで打撲を冷やすように、微細な炎症を落ち着かせます。

 

④ ドライ時の温度管理

犬の被毛は密度が高く乾きにくいため、熱風で一気に乾かしたくなります。
しかしそれでは被毛が乾燥しすぎてしまい、せっかく補修した栄養分が逃げてしまいます。

なので、温風と冷風を交互に使用することで被毛にダメージを与えないブローを行います。
これにより、熱をためず、内側はしっとり、外側はふんわりと仕上げます。

美容業なら割と当たり前のことなのですが、ペットサロン界隈ではあまり浸透していない技術です。

 

4. まとめ

ここまでのケアを行うこと(実際はもっと細かいです)で、
「毛玉・抜け毛=やっかいもの」ではなく、極上のエステ体験に変わります。
飼い主さまにとっても「追加料金を支払うことになった」という体験ではなく、「愛犬の毛を丁寧にケアしてもらった」と感じてもらえる体験を提供したいと考えています!

毛玉や抜け毛だったのに、サラサラ・ツヤツヤ・しっとり・もっちりとした質感でお返しする。
それがティアラ流の仕上がりです!

ただし、この施術は
《スピード》《丁寧さ》《犬への負担軽減》
この3つを同時に満たさなければなりません。

しかし、バランスを取るのは簡単ではありません。
私自身、このケアに辿り着くまで、長年の試行錯誤とたくさんの葛藤がありました。
そう簡単に真似できるものではないと思っています!

もし、毛玉や抜け毛で悩んでいる飼い主さんがいたら、ぜひご相談ください。
費用以上の納得をお約束します。

RELATED

関連記事

最近の記事
  1. 毛玉・抜け毛料金は罰金なのか?ティアラ流「ケアとしての毛玉・抜け毛除去」

  2. 【驚愕ビフォーアフター】皮膚が白くなった!?犬の背中に溜まった“酸化皮脂”の正体

PAGE TOP