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【驚愕ビフォーアフター】皮膚が白くなった!?犬の背中に溜まった“酸化皮脂”の正体

サロンケア

「え…これ、色素沈着じゃなかったの?」から始まった衝撃体験

数ヶ月前にご来店いただいた、ホワイトのミニチュアシュナウザーさんの話しをしたい。
一見、毛も白くてフケっぽい感じはあるものの、「まぁ年齢的な乾燥かな!?」と思っていた。

 

ところが、シャンプーをしていてどうしても落ちない“黒ずみ”のような皮膚の色に違和感を覚えた。
その時は「色素沈着かな? 無理してこすらず保湿ケアしておこう」くらいで終わった。

 

次回来店時。まさかの「バンカー現象」発生!

1ヶ月半後。
やはり気になる黒ずみ。
茶色いフケもポロポロと付着していた。

そこで、今度は思い切って、気になっていた背中の一部にクレンジングオイルを使ってみた。

※クレンジングオイルとは、人間のメイク落としにも使われる「油汚れを油で浮かせる」タイプのケア用品。
特に酸化した皮脂や頑固な汚れは、水やシャンプーだけでは落ちにくく、クレンジングオイルの“乳化作用”を使うことで、皮膚に負担をかけずに浮かせて除去できる。

その後、ため湯で乳化させて流した瞬間、、、

 

 その部分だけくっきり白い地肌が出現。
まるで、ゴルフ場のバンカーのように「そこだけ綺麗になっている」状態になった。
こんな感じだ↓

つまり、あの黒ずみに見えていたものは……全部、酸化した皮脂とフケがこびりついていたものだったのである!!

 

全身にクレンジングを施すとどうなった?

さらに1ヶ月半後、思い切って背中全体にクレンジングオイルを塗布。
こちらがシャンプー前にオイルを塗布した状態。

お分かりいただけるだろうか??
皮膚に黒いツブツブ⁉ポツポツ⁉見えるもの。
これ全部、こびり付いた酸化した皮脂と古い角質である!!!

 

続いて、溜めたお湯の中で乳化&流し落としていく。
すると、、、

このように、頑固にこびりついていた酸化皮脂が浮き上がってきた!

 

一通り流し終えた後のお湯を見て、びっくりした!
うわぁぁああっ!!!
流れ落ちた脂・フケがオイルと混ざり合ってドロッドロに!!!

 

ここまで来て、ようやくシャンプーで洗浄できる!
アミノ酸系シャンプーで優しく洗っていく。

そして、ここまできれいになった!!!
これぞトリマーの醍醐味でございます!!!

 

最後に、除去した皮脂を補うために、保湿浴で仕上げのケアをしてあげました!

 

「なんだか、思うようなきれいな仕上がりが作りづらい子だなぁ」と思っていたシュナさん。
この子をやるたびにモヤモヤしていたが、ようやく原因を突き止められた。

 

おかげで、 肌の白さが数段階トーンアップし、被毛の立ち上がりや手触りも別モノになった!

「優しく、でもしっかり洗いたい」そのジレンマを救うクレンジング

今回のように、皮脂汚れが強く堆積しているケースでは、クレンジングオイルを使わない場合、洗浄力の強いシャンプーで落とすという手段が一般的になることもある。

例えば、高級アルコール系石鹸系のシャンプーなど。
たしかに、これらを使って入念に洗えば、汚れを落とすことはできる。

 

ただし、そのぶん皮膚へのダメージも大きい

 

特にお肌がデリケートな子にとっては、“洗えるけど痛める”リスクがつきまとう。

一方で、アミノ酸系シャンプーは肌に優しい反面、洗浄力がマイルド
「優しく洗いたいけど、汚れが落ちない…」というジレンマに直面することが多い。

 

そんな時にこそ、クレンジングオイルの出番。

「汚れが強い」けど「優しく洗いたい」という、相反するニーズを同時に叶えてくれる。
まさに今回のケースは、それを体現してくれた良い例だったと感じている。

「酸化皮脂」は放っておくとどうなる?

皮脂やフケは「単なる汚れ」ではなく、蓄積して酸化すると皮膚トラブルの元凶になってしまう。

 

・炎症・かゆみの原因
・雑菌の温床
・保湿や薬剤の浸透を妨げる
・カットの仕上がりにも影響大

 

トリマーの使命は「可愛くすること」だけじゃない。
わんちゃんの状態を見極めることの方が、はるかに大きな意義がある。

 

この体験を通して改めて思ったのは、「毛を整える」前に、「皮膚を整える」大切さ。

表面の美しさは、土台の健康があってこそである。

 

 最後に:皮脂汚れ、見た目だけでは分からない

おそらく毎日愛犬のことを見ている飼い主さんは、この黒ずみに気が付くことは難しい。
徐々に徐々に蓄積していくため、微妙な変化だからだ。

 

「老化かな?」「毛の色かな?」とスルーしてしまうかもしれない。

 

だけど、プロの目線で見ると、見えない“皮脂の蓄積”が、肌や被毛の状態を大きく左右していることも多い。

 

今後も、こうした“隠れ汚れ”に気づいて、根本からケアできるトリミングを提供していきたいと強く思った出来事でした。

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