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外は灼熱、家の中は冷蔵庫──犬たちはその狭間で壊れてる。

愛犬の健康知識

お店をやっていて、最近こんなことが続いてます↓

「すみません、元気がないので今日はキャンセルで…」
「ちょっと下痢しちゃってて…」
「さっき吐いちゃって…様子見たいので…」

とにかく胃腸関係の体調不良の頻度がびっくりするほど多い!!
10年以上お店をやっていて初めてのレベルです。

もちろん、トリミングは体調が最優先なので、お店に気を使わずゆっくり休ませてあげましょう。

僕も最初は「夏バテかな?」くらいに思ってた。
けど、ここまで多いとどうもそれだけじゃない気がする。

連日の40℃近い猛暑に目が行きがちだけど、室内の冷房環境で20℃台の快適空間。
実はこの【温度差】こそ、愛犬の体調にダメージを与えている要因ではないか?
と感じた。

なので、今回はちょっと早急に対策したい「温度差ダメージ」について、解説していこうと思う。

 

犬って…いま、どんな環境にいると思う?

たとえば、人間で言うとこんな感じ↓

『サウナのあと、冷凍庫に放り込まれる』

「どんな罰ゲームだよ!」って話しに聞こえるけど、
犬たち毎日はこれに近い。

・散歩 → 体温の急上昇
・帰宅 → 体温の急降下
・お昼寝 → ベッドが冷風ゾーンのど真ん中

人間は「暑い〜」って言いながら下着になったり、
「寒っ!」って言って靴下はいたりできるけど、
犬はできない。

…そりゃ、自律神経も狂ってしまう。

 

「自律神経が乱れる」とは?

要は、体のスイッチが誤作動を起こしている状況。

*スイッチオン【交感神経】→「よっしゃ!動くぞー!」
*スイッチオフ【副交感神経】→「おやすみなさ〜い」

本来、このスイッチは上手いこと切り替わるようにできているが、
気温差やストレスなどで、ごちゃごちゃになってしまうことがある。
すると人の場合こんな症状が起こりやすくなる。

・寝たいのに、眠れない。
・疲れているのに、食欲がわかない。
・日中にめっちゃ眠い。

みなさんにもあるあるでは?

犬たちの場合、自律神経の乱れで以下のような症状が起こりやすい。

・食欲不振、下痢、嘔吐
・眠りが浅くなる
・免疫が下がる

などなど、不調のデパートが開店してしまう。

 

じゃあどうすればいいの?

では、どうすれば乱れた自律神経を整えることができるのか、
今日からすぐできる「犬の温度差ケア」を紹介していく。

 

★ 散歩後の“即冷風”はNG!

クーラーの真下にハウスやベッドがあるとか…
それはもう内臓に冷水をかけるようなもの。

人もだが、“身体は冷やしすぎてはならない”、が鉄則である。

なので、帰宅後はまず日陰で休憩させましょう。
なるべく体温が自然に下がるのを待つ。

・うちわで扇いであげる
・濡れタオルで首まわりを冷やす
・濡れタオルで全身を拭いて気化熱で体温を下げる

 

★ 冷房の設定は“犬基準”に

人間が「涼しい〜最高〜」って言ってるとき、
犬は「寒っ!」ってなってるかもしれない。

設定温度は25〜27℃くらいが目安。
人間が「ちょい暑いかも?」くらいが犬にはちょうどいい時もある。

 

★ 冷風直撃ポイントにベッド置くの、やめたげて!

「ここが風の通り道です」みたいなとこに愛犬ベッドあるご家庭、結構ある。

風が当たらない安全地帯にベッドを移動しよう!
犬が好きな場所と、体に優しい場所は違うこともある。

 

★ 温度差ゾーンをつくろう

家の中にも“段階的に温度が変わる場所”があるとベター。

たとえば、

・散歩→玄関で体温落ち着ける→室内
・クーラー効いてるリビング→涼しすぎると感じたら廊下へ避難

「ずっと一定」じゃなく「選べる温度」が理想じゃ。

 

★ 日向ぼっこスポットは、夏でも大事

「夏なのに日向ぼっこ?」と感じるかもしれない。

しかし、適度な日光浴はじんわり体を温めるのは最適だ。
室内の冷えすぎ対策として、太陽で体を温め直す場所を用意しておくと吉!

 


《コラム》うちの子にちょうどいい温度って、何度?

「人が寒いくらいが、犬にはちょうどいいらしいよ!」という話をよく耳にする。
これ、半分ホントで半分ウソだ。

【犬にも“暑がり”と“寒がり”がいる!】
◆暑がりタイプ(寒くしてOK)
・柴犬、ゴールデン、フレブルなど、毛が多い or 鼻ぺちゃ犬
・太め or シニアで体温調整が苦手な子

→24℃くらいで快適に過ごせる!

◆寒がりタイプ(冷えすぎ注意)
・チワワ、トイプー、マルチーズなど、小型&毛が薄い子
・子犬や痩せ型の子

→25〜27℃くらいが安心ゾーン!
冷風が当たるとすぐブルブル震えることも…

【じゃあ、どうすればいいの?】
「この温度が正解!」じゃなくて、犬が“選べる環境”を作ることが大事。

・冷風が当たらない場所にベッドを置く
・日向ぼっこゾーンや、毛布を敷いたあったかスポットを作る
・犬が移動して“自分で選べる”状態にしておく

これが、うちの子仕様のベストな温度管理になる。

まとめ

犬は人と違い、体温調整が苦手で、環境に左右される生き物だ。
発汗や衣服で体温を調整できない犬たちにとって、同じ《屋外35℃、室内25℃》は人よりも過酷な温度差かもしれない。

クーラーの温度やお散歩後のアクションをちょっと見直すだけで、犬の体に優しい夏の過ごし方ができると思う。

連日の暑さ対策にばかり意識が向くけれど、外と内の“温度差対策”こそ、気付かなきゃいけないキーワードだと思う。

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