『あれ?うちの子、なんか変わった…?』
日々の暮らしの中で、愛犬さんを見ていると小さな変化になかなか気付きにくい。
でも、ふとある時、前とちょっと変わったなぁと気付くことがある。
例えば、
- 毛並みが変わった気がする
- ごはんの食いつきが悪くなった
- 涙やけが目立ってきたや皮膚トラブル
- 便の状態が変わった
こういう“なんとなくの不調”に気づいた時、「フードを変えて様子を見ています」というよくあるお話。
確かにフードの影響は大きい。
でも、トリミングサロンの現場で毎日たくさんの犬たちを見ていると、最近は状態異常を改善するには「フードだけでは難しいかもしれない」と感じる。
今回は、愛犬の状態異常が起こる、フード以外の“見えにくい要因”を4つの視点から整理してみよう。
気になる症状の根っこにある「本当の原因」に、一緒に近づいてみましょう!
不調の原因は「4つのミスマッチ」かもしれない
愛犬の調子が崩れる背景には、以下のような4つの要因が絡んでいると考えられる。
① 運動不足
活動量が足りないことで、血行が悪くなり、代謝や精神状態にも悪影響を及ぼしてしまう。
これって、私たち人も同様ですよね!?
引き起こされるよくある状態は以下の通り ↓
- 便秘ぎみになったり
- 体臭・便臭がきつくなったり
- ストレスが発散されず、吠えやすくなったり
中でも、 高たんぱくなフードを与えているのに、活動量が少ない子は特に注意が必要!
筋肉が使われないと、代謝されないたんぱく質が肝臓や腸に負担をかけてしまうからだ。
《犬本来の食性に配慮》などのキャッチコピーを信頼しすぎてはならない、と私は感じている。
② ストレス過多
吠え癖、改善しない目ヤニや皮膚トラブルは、実は“心のSOS”かもしれない。
以下の状況であれば、愛犬のストレスレベルは高めと考えよう。
- お留守番が長い
- 音や光に過敏
- スキンシップが少ない
ストレスが続くと、自律神経が乱れて免疫力が落ちてしまう。
皮膚炎や涙やけ、下痢や嘔吐などの消化不良も、見た目だけじゃわからない「心の疲れ」が関係してるケースが多い。
③ 飲水不足
水分は体内の老廃物を排出し、腎臓や肝臓の働きをサポートする重要な役割を果たしている。
これを“デトックス”と呼ぶが、意外と足りていない子がほとんど…
- 冬場や高齢期、動きが少ない子は水を飲まない傾向あり
- 水分が足りないと、便秘・尿トラブル・腎臓への負担につながる
味のしない水道水は飲み飽きる子もいるので、なるべく新鮮なお水に交換してあげることが大切。
ぬるま湯、ちょい出汁入り、フードをふやかす、ウエットフードを与える、お水の器の位置を移動するなど、小さな工夫をしてあげることで水分補給を促してあげよう。
④ フードの“暮らしとの不一致”
今の社会は質の良いフードの種類がとても豊富!
しかし、どんなに良い原材料を使っていたとしても、生活に合ってなければ逆効果だ。
- 「犬本来の食性」を重視して高たんぱくフードをチョイス → 運動量少ない
- グレインフリーフードが良いと聞いたからチョイス → 逆に腸内細菌が乱れて便が悪化
要するに、「良いフードか?」じゃなくて「その子に合ってるか?」が大事だと私たちは考えている。
生活まるごと見直しチェックポイント
上記の4つをまとめると、こんな感じにまとまる。
ぜひ、振り返ってみてほしい。
チェックポイント | 対処のヒント | |
---|---|---|
運動 | 散歩時間が短すぎないか?室内でも遊んでいるか? | 毎日10分でも「動く時間」を意識 |
ストレス | お留守番が長くないか?スキンシップを取っているか? | ルーティンを整え、声かけを増やす |
水分 | 飲んでる量は?便や尿に変化は? | 飲水量UPの工夫で“流れ”を作る |
フード | 食いつきだけで選んでないか?間食が多くないか? | 成分だけでなく“生活との相性”で選ぶ |
私たち人間も「食事」「睡眠」「運動」のバランスが大事だと昔から言われている。
これは犬も同様だという認識が必要だと思う。
飼い主さんにお伝えしたいこと
不調の原因を《何か1つ》に限定して考えてしまうと、見落とすサインがたくさんある。
大切なのは暮らし全体のバランス。
・病院に行ったから安心ではないこと
・ググった情報に影響されすぎないこと
愛犬の状態を改善するためには、まずは飼い主さん自身の生活を見直すことも必要な時があるんです。
サロンできること
トリミングサロンの役割は、ただ見た目を整えるだけじゃない。
毎日ではなく《定期的》な関わり合いだからこそ、犬の状態の変化にいち早く気付くことができる。
そのために、美容以外にも「カウンセリング」「体調チェックシート」「アドバイス」を実施しています。
【 身体の表面=体内の状態 】 だと考えてます。
なるべく変化を見逃さずお伝えしていますが、見慣れた状態だからと言って放置しないでほしい。
よりよいコンディションに導いてほしいと願っています。
さいごに.
見た目は、暮らしの写し鏡。
あなたの大切な愛犬ちゃんの本当の声、聞き取れてますか?
トリマーは、犬の言わざる声を聴き取るプロです。
一緒に、その声を“整えて”いきましょう!